魔女とは何者か? ~魔女の歴史や役割、魔女のおまじないもご紹介~

『白雪姫』や『眠れぬ森の美女』など、数えきれないほどたくさんの物語に登場する魔女。魔女とは、いったいどんな存在なのでしょうか。

 

魔女の歴史

魔女とは何者か?

今では魔女の存在を信じる人は少ないかもしれませんが、15~18世紀のヨーロッパやアメリカでは、魔女は本当にいると信じられていました。

昔から、どの地域にも、占いをしたり、雨乞いの祈りをしたり、薬草を使って病気を治したりする特別な力を持つ人はいましたが、人々からおそれられながらも、尊敬される存在とされていました。

しかし、キリスト教の広まりとともに、秘術を使う人たちは悪魔と結び付けられ、異端者(キリスト教に従わない者)や悪い魔術を使う「魔女」として、社会から迫害を受けるようになってしまいます。

そして、魔女や悪霊、災いが近づかないようにと、いろいろなお守りやおまじないも生まれていきました。

 

魔女裁判

魔女裁判とは、15~18世紀のヨーロッパやアメリカで行われた、魔女と疑われた人に対しての裁判のことをいいます。

キリスト教(カトリック)の教えに従わずに悪魔を信じ、魔女の集まりを行っていると疑われた多くの人が裁判にかけられ、拷問で無理やり自白させられて亡くなりました。その数は300年間で6万人とも。多くが年老いた独り身の女性やホームレスで、中には孤児や男性もいたようです。

アメリカでの魔女裁判「セイラムの魔女裁判」(1692~1693年)では、魔女として疑われた141人が逮捕され、自分が魔女だと認めなかった人は処刑されてしまいました。

 

魔女についての本やお守り

魔女おどし
ヨーロッパ発祥の、魔女の進入を防ぐための石像。円すい形のもの、人や十字架の形をしたものなど、いろいろなものが残っている。

にんにく
強いにおいのあるにんにくは、古くから魔女や悪霊、吸血鬼、邪視(誰かをうらやましいと思ったり、妬んだりする悪いまなざし)などから身を守るために使われてきた。

護符(お守り)
魔術や悪霊をはじめ、病気や災難、あらゆる災いから身を守るための護符(お守り)。9分割や4分割された紙に聖人の姿が描かれ、悪霊駆除の呪文が聖書の祝福の言葉とともに書かれていることが多い。小さく折りたためる。

『魔女たちへの鉄槌』
15世紀に書かれた本で、魔女とはどういうものであるかを理論的に説明し、魔女の見分け方や魔女裁判のやり方などを記している。長い間、魔女裁判のハンドブックとして使われた。

『貴婦人たちの擁護者』
空を飛ぶ修道女と思われる女性の絵が描かれている。キリスト教(カトリック)の教えと異なるものを信じる者は、異端者として、魔女と同じように扱われた。

『信徒の鑑(かがみ)』
16世紀に書かれた本。魔女の特徴を表した挿し絵と、火あぶりの刑の様子が描かれている。魔女とされた者は、火あぶりの刑によって殺された。

『インゴルズビー伝奇集』
1907年出版。アーサー・ラッカムが描いた空を飛ぶ魔女のイラストが描かれている。魔女が黒のとんがり帽子をかぶった姿は、20世紀に入ってからの芸術家の創作とされている。

 

 

最も古い魔女の絵は、12世紀に描かれたものとされています。

 

 

魔女の役割

キリスト教が広まる以前は、魔女はおそれられながらも尊敬される存在でした。はじめは「魔女」とは呼ばれず、何でも知っている「お助けおばあさん」などのように呼ばれていたのではないかと思われます。

彼女たちは、木の中や花の中など、いろいろなものに神様が宿っていると考えていました。そして、たとえ貧しくても、人が生き生きと健康に暮らすことを願っていました。いちばん大切なものは、見えないところにある。それが理解できていた彼女たちは、少しずつ知識を身に付け、いろいろな役目を引き受けるようになりました。

 

薬屋として

魔女は薬草についての知識が豊富

季節がめぐるたびに力強く成長する森の木や草。彼女たちは、その力を体の中に取り入れたら、自分も家族も元気になれるのではと思うようになりました。そこで、葉をお茶にしたり、草を食べたりして、いろいろ試しているうちに薬になるものを見つけるようになります。森で発見された薬草は、やがて畑で栽培されるようになりました。

薬草はもともと森にあったものですが、使い方を誤ると大変なことになる。毒になることもあるから、用心しないといけない。彼女たちは、それを上手に使う力を持っていました。これは、とても重要なことでした。

 

 

豆知識

魔女の薬草

マトラグーナ
魔女の万能薬として知られる。マトラグーナを女性の体に似せて描いた絵がある。生み育てるほどの力を持つ薬草であることを表している。

ヘンルーグ
ヨーロッパでは、魔除けの薬に使われてきた。

パセリ
古くから、貧血やリウマチ、黄だんの治療に使われてきた。

クマツヅラ
乾燥させた花と草は、生理不順などによく効いた。

ベラドンナ
悪魔の薬と呼ばれ、痛みを取る薬になった。

ジギタリス
魔女の草と呼ばれ、心臓病を治す薬の原料にされた。

ヒヨス
強い毒を持つ草だが、麻酔薬として使われた。

ヨモギ
下痢や腹痛の薬になった。しぼり汁は切り傷の薬として使われた。

グランドアイビー
お茶にして飲むと、風邪に効くといわれた。

バッカク
お産がスムーズに進むように、これを使った。

トリカブト
とても強い毒を持つ草だが、心臓の薬になった。

オシダ
見えない世界を見る力があると信じられていた。

チョウセンアサガオ
葉や種は咳をとめ、痛みを和らげた。

 

 

医者として

彼女たちは体に良い薬や食べものなどの知識を持っていたので、人々から、体のこともよく知っているかもしれない、それに痛みも和らげてくれるかもしれないと思われ、しだいに医者の役目もするようになりました。

 

お産婆として

彼女たちは女性の体のことをよく知っていたので、お産に立ち会ったり、相談にのったりするようにもなりました。命を守りたいといつも願っている彼女たちにとって、命の誕生に立ち会うという仕事は、いちばんふさわしいといえます。

 

祈祷師として

人々は、彼女たちの作る薬に不思議な力を感じ、体だけでなく、心の悩みも解決してくれるかもしれないと思うようになりました。そのため、祈祷師とも呼ばれるようになりました。

 

 

彼女たちは、自分も家族も元気で暮らせるようにという思いから、身に付けた知識によって人助けをしていたわけですが、いつの間にか悪魔扱いされ、「魔女」という名で迫害を受けるようになってしまったのです。

 

 

豆知識

ギリシアの地母神ダイアナ

イギリスなどには、ギリシアの地母神ダイアナが、魔女のはじまりという人もいます。

ダイアナは、古代よりマグナ・マター(偉大なる母)のひとつとして崇拝されていました。ギリシア・ローマ神話では、樹木の女神、多産の女神とされ、豊かな実りをもたらす神として信仰されました。

世界には、魔女がいると思っている人たちがいて、現在でも、アフリカやヨーロッパの一部地域には、不吉な出来事は魔女(魔術師)や呪術師のせいだと信じている人たちがいます。

その一方で、ヨーロッパやアメリカなどでは、20世紀に入って、魔女は怖い存在ではなく、森の薬草についての豊かな知識を身に付けていて、人々の病気を癒してきた賢い女性たちだという考えが広まり、魔女に対するイメージもだんだんと変わってきました。

子どもが丈夫に育ちますように、家族が健康で暮らせますように…。子どもを守りたい、家族を守りたい。魔女の原点は、この優しい気持ちから生まれたとも考えられます。

 

 

魔女のお祭り

魔女の存在が信じられている地域では、魔女が登場するお祭りがいくつかあります。

ベルギーの猫祭り

ベルギーの猫祭りは、3年に一度、5月の第2月曜日に行われるお祭りです。

昔、ベルギーのイーペルという町は、毛織物の取引が盛んだったため、とても豊かな町でした。ところが、「あの町には、たくさん猫がいすぎる。あの猫たちが魔女と一緒になって魔法で金を作っているのではないか。」あるいは、「猫を神様のように思っているのではないか。」と、周りの町や村から疑われるようになりました。

本当は、毛織物を食い散らすネズミ退治のために猫を飼っていただけなのですが、その当時は、キリスト教が力を持っていた時代のため、魔法なんて許されません。そこで、イーペルの伯爵ボードワン3世は、キリスト教以外の神様を拝んでいるのではないということを近くの町の人たちに示すため、町でいちばん高い塔の上から生きた猫を投げるように命令したのです。

これが、猫祭りの始まりといわれています。今は、ぬいぐるみの猫を投げています。投げられた猫のぬいぐるみを下で受け止めると、幸運に恵まれるといわれています。

お祭りのときは、町の人は、子どもも大人もみんな猫になります。お祭り最終日の真夜中には、「魔女裁判」が行われます。魔女と疑われた人は全員有罪となり、人の代わりに魔女の人形が火に投げ入れられます。今でこそ人形が使われていますが、昔は本当に火あぶりにされたといいます。

そのほか、病気が流行したり、作物が不作だったりしたとき、生けにえとして猫を投げたという説、猫は魔女が変身した姿だとして投げたという説もあります。歴史的な出来事や宗教、迷信などが長い間に入り混じって、このようなお祭りになったと考えられます。

 

 

豆知識

魔女と黒猫

夜の使いのような真っ黒な黒猫は、魔女の仲間とされています。各国には、黒猫にまつわる神秘の言い伝えがあります。

  • 夜に黒猫を見たら、3歩下がらないと良くないことが起こる。(日本)
  • 黒猫を飼うと、嵐でも船が沈まない。(世界各国)
  • 月夜の下、黒猫が横切ったら伝染病が流行する。(アイルランド)
  • 樽の上に黒猫が座ると、ワインの出来がいい。(フランス)

 

魔女の仲間には、黒猫のほかにもたくさんいます。フクロウ、蜘蛛、カラス、コウモリ、ヒキガエル、カササギ、ヤギ、ナメクジ、ヤモリ、ウサギ。これらが魔女の仲間とされています。

 

 

ファスナハトのお祭り

ファスナハトのお祭り

ドイツの西の方、黒い森地方の町では、2月23日は魔女の日と呼ばれています。ファスナハトのお祭りは、寒い冬を追い出して、春を呼ぶお祭り。冬と春、ふたつの季節の境目にいて、橋渡しをするのが魔女といわれています。

このお祭りでは、魔女はみんな木彫りの仮面をかぶっています。真夜中、魔女はほうきを逆さに持って、棒高跳びのように、3メートルもありそうなたき火の炎を飛び越えます。たき火のこちら側は冬、向こう側は春。これは、冬を飛び越して、春を呼び込む儀式といわれています。

キリスト教徒は、復活祭の前の40日間を四旬節と呼び、その間、イエスの受難と十字架上の死をしのんで質素に暮らします。そのため、その前の一週間は、しばらく楽しいこととはお別れということで大騒ぎをして遊ぶのです。これがファスナハトのお祭りとされています。ほかの国では、カーニバルと呼んでいるところもあります。

 

古くから伝わるお祭りの歌
オニ オニ ヘクセ
オニ オニ 魔女は
7つのつぎあて付けている
ほうきにのって
乳母車も一緒
飛ぶよ 飛んでく 飛び回る
背中の曲がった魔女
お前は汚い年寄り魔女
オニ オニ ヘクセ
オニ オニ ヘクセ

「ヘクセ」とは、ドイツ語で魔女のことをいいます。

 

ファスナハトの魔女の特徴

ファスナハトのお祭り 魔女の特徴

  • ネッカチーフ。後ろが高くとがっている。
  • 木彫りの仮面。額にはイボがある。木彫りの仮面は、高度な技術を持った職人によって作られ、町ごとにその形が違う。
  • ほうき。
  • 小さな水玉模様のブラウス。
  • 木彫りのペンダント。
  • エプロンとスカート。(7つのつぎあて付き)
  • しましま模様の靴下。
  • 底は革でできた麦わら靴。

 

木彫りの仮面

 

 

昔から、魔女の服は黒とされていますが、森の中でも目立たない、鳥の色だったともいわれています。

 

 

豆知識

魔女とほうき

魔女の飛び道具の代表は、なんといっても「ほうき」です。ほかにも、動物や杖、桶など、いろいろなものに乗って飛んでいる絵も残されています。ほうきに乗って飛ぶ魔女の絵で最古のものは、1451年に描かれたものです。

ほうきの材料は、柳の木がいちばん良いとされています。柳の枝を束ねて、トネリコの枝に結び付けます。このふたつの木は、不思議な力を持っていると思われていました。

もともとは、ほうきを馬に見立て、毛先を前にして空を飛んでいましたが、ロケットの影響で、毛先を後ろにして飛ぶようになったともいわれています。

 

 

ワルプルギスのお祭り

ワルプルギスのお祭りは、ドイツの北、ハルツ地方で、4月30日に行われるお祭りです。このお祭りも、冬と春、季節の変わり目に行われるお祭りです。

この地方には、ブロッケン山という、不思議な現象を起こす山があり、昔から、悪魔や魔女、妖怪が集まるところといわれてきました。このワルプルギスのお祭りは、冬を意味する悪魔と、5月の女神との言葉の掛け合いが中心になっています。

 

悪魔「この町は、永遠に氷に閉ざされ、冬が続くでしょう。春は来ません。」

女神「いいえ、この町に、春はもうやって来ました。これから私たちは畑に出て、種をまくのです。すぐに花が咲き、実もなるでしょう。」

 

この言い合いは、最後は春の女神が勝って、この町に春が来たことを大声で町の人に伝えます。そのあと、大きなたき火がたかれると、お祝いに魔女のほうきが燃やされ、お祭りはめでたく終わりになります。

 

夏至祭

デンマークでは、6月23日に、1年でいちばん昼の長い夏至の日を祝います。各地でたき火がたかれ、パーティーが開かれます。

夏至の日には、魔女がドイツの森に集まって会議を開くと信じられていて、町に魔女がやって来ないように、魔女の人形を焼いて魔女を追い払う風習が残っています。魔女を追い払うことで、悪いものも追い払うという意味があるようです。

 

 

豆知識

境目という場所

魔女はもちろん、サンタクロースや鬼、お化け、妖精など、不思議な存在は、境目から出てくると思われています。あの世とこの世、光と闇など。魔女は古い言葉で「垣根の上にいる人」ともいわれています。魔女は、いつも垣根の上から向こうとこちらの両方を見て、ふたつの世界に関わっていました。

人は境目の印を作って、こちらの世界ばかりではなく、向こうの世界もあることをいつも心に留めておこうとしたのです。

 

蹄鉄(ていてつ)

蹄鉄

家と外との境目の印。蹄鉄は馬のひづめを守るための鉄の金具で、古い伝説によってヨーロッパやアメリカなどでは、魔除けの力があると信じられています。蹄鉄を家の入り口に掛けておくと、魔女や悪霊が入れなくなるといいます。また、上向きに付けると幸運を招き、下向きに付けると魔除けになるとされています。

 

柳の木
ほうきの材料に使われる柳の木も、境目にあるとされています。柳の木は、よく川のそばに生えています。川の水は天から降りてきて、大地を流れていきます。見えない世界からきて、人の世界を流れていく。柳の木で作られたほうきは、こちらの世界と向こうの世界を行き来する道具ともいえます。

 

 

魔女のおまじない

世界各国には、幸せになるおまじないがたくさん伝わっています。

 

トイ! トイ! トイ! (ドイツ)

ドイツでは、自分や友だちなどが何かに挑戦するときなど、「うまくいくよ、大丈夫だよ」という意味を込めて、「トイ! トイ! トイ!」といいます。成功を邪魔する悪魔が近づいて来ないようにという魔除けのおまじないです。

 

アブラカダブラ(ヨーロッパ/中東)

今から1800年ほど前からあったといわれている、世界中で知られているおまじないの呪文のひとつです。一説には、古代メソポタミア地方の言葉で、「この言葉のようにいなくなれ」という、病気(特に熱病)を治す言葉だったと考えられています。三角形に書かれたこの呪文を唱えると、病魔がいなくなると信じられていました。

この呪文を刻んだ魔除けは、今でもいろいろなものが作られています。「アブラカダブラ」と書かれた最古の本は古代ローマ時代(2世紀)のもので、マラリアの治療のために唱えられたといいます。

 

よくなれ、よくなれ、カエルのおしり(スペイン/ラテンアメリカ)

子どもが転んで痛がるときなど、スペイン語文化圏の人々は、「サナ・サナ・コリタ・デ・ラナ・シ・ノ・サナス・オイ・サナラス・マニャーナ(よくなれ、よくなれ、カエルのおしり、きょう治らなくても、あしたには治る)」というおまじないをいいます。日本語の「痛いの、痛いの、飛んで行け」のおまじないと同じように、広く知られている痛みを消すためのおまじないです。

 

タッチ・ウッド(イギリス/フランスほか)

自慢話や不運な話、不吉な話をした後で、不吉なことが起こらないように、樹木や木製品に触ったり、コツコツとノックするように叩いたりして、木の精霊に守ってもらうためのおまじないです。

 

恋を叶えるトグラスの術(アイルランド)

アイルランド地方に伝わる片思いを両想いにする古いおまじないです。白い紙に「Toogras(トグラス)」という文字を、必ず間を空けて書き(くっ付けて書くと願いが叶わない)、その紙を朝日にかざして、頭の中で相手のことだけを考えると思いが通じるといわれています。紙は願いが叶うまで、大切にとっておきます。

 

魔除けのポマンダー(ヨーロッパ)

中世のヨーロッパでは、強い香料を練り合わせて金属の容器に入れたポマンダーを「香りの魔除け」として身に付けました。今では、クリスマスのころに柑橘系の果物を使ったポマンダーが作られています。

オレンジなどの果物に香辛料のクローブを刺して、シナモンの粉を振りかけて乾燥させれば出来上がり。クローブは、必ず実の付いているものを使います。振りかける粉は、ポマンダーパウダーとしても売られています。腐らないように冬に作るのが良いとされています。

 

キッチンウィッチ(ヨーロッパ)

ヨーロッパでは、魔女の人形を台所に飾っておくと魔除けになるとされています。飾っておくと料理がおいしくなる、台所から火事が出ない、家族が健康でいられるなどと信じられています。

 

スズランを贈る(フランス)

フランスでは、5月1日に、大切な人や恋人、お世話になった人の幸せを願ってスズランを贈る習慣があります。贈られた人は、幸せになるといわれています。

 

ブレッド・アンド・バター(イギリス/アメリカ)

恋人たちが手をつないで道を歩いていて、前に障害物などがあって、一度手を離さなければならないときに、「ブレッド・アンド・バター(バターを塗ったパン)」といいます。ふたりがいつも一緒にいられる、別れることにならないというおまじないです。

 

ニ・プーハ・ニ・ペラー! (ロシア)

大切な人や友だちの成功を祈っていうおまじないです。ロシアでは、成功する話をすると悪魔が邪魔をすると信じられていて、悪魔が近づかないように悪い言葉をいう習慣があります。直訳すると、「猟に行っても獣も鳥もとれませんように」という意味になります。そして、いわれたほうは、「ク・チョルトゥ!」と答えます。こちらは直訳すると「地獄に落ちろ!」という怖い意味になります。

 

 

まとめ

  • 15~18世紀のヨーロッパやアメリカでは、魔女は本当にいると信じられていた。
  • 魔女は何でも知っていたため、もともとは人々から尊敬される存在だったが、キリスト教の広まりとともに悪魔と結び付けられ、やがて社会から迫害を受けるようになった。
  • 魔女の存在が信じられている地域では、魔女が登場するお祭りがいくつかある。お祭りに共通するのは、冬から春への移り変わりのときに行われること。魔女は、冬と春の橋渡しの役目を担っていると考えられていた。
  • ギリシア地母神ダイアナが、魔女の始まりだという人もいる。ダイアナは、偉大なる母として崇拝されていた。子どもを守りたい、家族を守りたい。魔女の原点は、この優しい気持ちから生まれたとも考えられる。

 

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました!